Youtuberという言葉がもはや世間に浸透している昨今、改めて人に説明するとなると難しかったりする。なので自分なりに咀嚼してみた。なお、今回の話はYoutuberを職業として見た場合の観点である。
Youtuberとして収益を上げる(仕事とする)方法として2019年6月現在では、活動形態を大別するとこんなかなと。
・企業に所属するタレント型Youtuber
・個人で広告収入と企業案件で稼ぐ個人Youtuber
・Vtuberタレント/アイドル型Youtuber
そして動画内容の主流としては、以下の3つに大きく分類
(1)商品レビュー
(2)ゲーム実況
(3)自主企画
(3)の自主企画はそう名付けると幅が広くなっちゃいますが、ここでは(1)と(2)以外ということで。動画投稿者によってやってる企画が本当に多い!ただ人気があるのは心霊系、廃墟探索系、加えて最近は地元密着企画系も強いかな?あーあと、ASMRも1カテゴリとして確立しつつある(もうしているかな?)分野ですね。
(1)の商品レビュー系はもう、どの分野の商品でも広く広まっているやり方。大抵は新商品のレビュー系が多勢です、やはり閲覧されるかどうかは情報の速さに寄るといったところ。企業案件では発売前にYoutuberに商品を渡してレビューしてもらう形も見受けられます。
(2)のゲーム実況系は、一括りにしましたが単なる攻略でなく攻略技術に主眼を置いた専門家系と、Youtuber自身が楽しんでいる様子を配信することを目的としたタレント系に分かれると考えています。企業系VtuberなどはスマホゲームコラボでVtuber自身がゲームに登場する、なんてコラボ企画もありますね。専門家系は謎解き&アクション系(ホラーゲームジャンルが多いかな?)が人気としては根強いかな、という印象。
と、こうして情報を整理して見ていると思ったのが、今のYoutuberを表す単語として「バナナの叩き売り」が思い浮かびました。
フーテンの寅さんをご存知でしょうか。山田洋次郎監督の「男はつらいよ」シリーズの主人公であり、的屋として各地を放浪する人物です。彼の口上のお馴染みとしてバナナの叩き売りのシーンがあります。バナナの叩き売り自体の発祥については今回重要でないので割愛しますが、寅さんの口上が非常に面白い。バナナ自体は特別なものではないのですが、お客さんと掛け合いながらの売り文句はまさに職人芸。買う気が無くても「買ってもいいかな?」と思わせてしまえるのは、寅さんという売り手の部分によるものが大きいと思います。創作の話だけでなく現実にも的屋ではそういった「啖呵売り」を続けている人はいて、先日見かけたのは七味唐辛子を売る的屋さんですね。Youtubeにも動画がありますがまさに職人技、あの語りを聞くために買いたくなります。
それの現代版が、今のYoutuberという職業の内容なのではないかなと。商品レビューだったり、自分自身についてだったりと対象は違えど、「こんな魅力があるんだよ」と「動画という技」でプロモーションすることで付加価値を生み出すというか。その物の価値自体は元々あるものなのでそれ自体は増減しませんが、紹介の仕方一つで相手側の意欲は変わります。動画をもっと見たいと思ったり、紹介された商品を欲しいと思ったり。
ちなみに、似たようなものに「インフルエンサー」という単語もありますが、あれは「有名な人が使っているから」流行するという類の「その有名人に魅力を感じている人を顧客として取り込む」部類なのでYoutuberとはまた違うと考えています。Youtuberの主体はあくまで「その物をどう楽しむか」に重きが置かれていると個人的には見ているので。
ただ「Youtuberは現代のバナナの叩き売り」とまとめてしまうとアウトロー感が強いのでもう少し職業っぽく言い換えれば、「Youtuberとは最先端のショーゲスト」だろうか。ショーゲストは商品の企業以外の、その商品の魅力を宣伝する職業の人のこと。通販番組などではお馴染み。その職業がYoutubeという動画配信機能の広がりにより「個人でショーゲストとして活動できる」時代になり、それが「Youtuber」という別称を持つようになった、と解釈すると、Youtuberを仕事にするという言葉に現実的な意味が含まれてくると思う。というか「好きなことで生きていく」というキャッチコピーが誤解を招いている気がしないでもない。「自身の"好き"を発信する」とかの方が、プラス思考的で目的もはっきりしていていいのではないかと思ったり。
まとめ。現在の職業としてのYoutuberはショーゲスト活動である。